2005年03月26日

アニメ感想 AIR(BS-i) 第11話「うみ」

私、リアルタイムでアニメを完走したことが一度もありません。必ずどうしようもない事態になって見逃して、そこから先を追い続ける気をなくしてしまう…諦めてしまう。まるで観鈴の癇癪のようだ…って言ったら、問題でしょうね、やっぱ^^ホント、自分でも情けなくなります。
それで何が悪いのかって、真剣さです。リアルタイムで流れる映像を見るときと、録画されたものを見るときでは、やっぱり集中する度合いが違う。録画物は巻き戻しも早送りも停止もできるから、どうしても漫然と見る部分が出てきてしまう。
面白かった映画のDVDを借りてきたとき、同じ事を思いませんか? 笑いどころで笑えない、衝撃のシーンに鳥肌が立たない…。

このAIRという作品でも、それは同じでした。一応summer編も見ましたが、既に手遅れ。尺の短さゆえか駆け足な印象しかもてませんでした。ゲームでも説明的要素が強い部分でしたけど、本当に説明に終始していた気がして。
きれいな隆也の顔が、本当にやつれて見る影もなくなっていたのには衝撃を受けるとともに、製作者の想いの強さを見て取ったのですが…。
だから、最終話の感想の時に、8話からの感想はまとめて書こうと思っていたんですが…

どうしてもこの11話の感想は独立して書きたいと思いました。
ゲームで「AIR」に突入した時の、あの衝撃を思い出させた第9話のラスト。あそこから始まった最後のシナリオ。その頂点がこの第11話だと思ったからです。

ここで白状しますと、実は私の家ではAIRは映りません。毎週、私の悪友(悪後輩というべきか^^)が主催で、鑑賞会を行なっていたんです。
この第11話。最終話放送直前に頼み込んで上映してもらったんですが。
凄かった。
物書きがそれでどうするんだ、と分かってはいるんですが、他に言葉が出てきません。“ぞっとして恐ろしくなるほど程度が甚だしい”という原義通りです。凄い。
AIRSSリンクスが生きていたらそこで思う存分語りたい。DVDが出たら知りあいのSS書きさん全員に推したい。
もっと過激に言いましょう。劇場版を褒めた人間の首根っこを掴んで瞼固定して、本物のAIRを知らしめてやりたいっ!!

既に感想を読み、キャプ画像を見たりして、事前知識は得ていました。
だけれど、そんなもんが何の役にもたたなかったです、あの海のシーンは。
あの瞬間、15インチテレビから流れてくるものが、五感で感じる全てでした。
恐竜のぬいぐるみもジュースも払いのけて、おぼつかない足取りで、倒れながら泣きながら歩み寄り、力いっぱい叫ぶ観鈴。駆け出して、波飛沫の中、抱きしめ続ける母――晴子。
なぜ我が神は目を頭のてっぺんにつけてくれなかったのでしょう。もし画面を見ることができるならば、見ながら跪きたかったです。遅ればせながら、アニメの歴史に立ち会った気持ちでした。


一緒に鑑賞した友人達とも言いましたが、この回は最初から最後まで見せ方が上手かったです。
戻った晴子に、これまで通りばらばらに暮そうと言い出すシーン、髪を切って「なんか小さな子供に戻ったみたい…お母さんの子供」と言い出す場面。「お母さんの笑顔を、絶対に覚えているから…」と眠るシーン。記憶が失われ「おばさん、誰?」と焦点の合わない瞳で問い掛けるシーン。
画面の5分の4を埋めるほど長く伸びている影で将来が暗示された、敬介と晴子の言い争い。泣きついてようやく3日もらったと言うのに、意思の疎通ができず、一度は車椅子を投げ出してしまう。
セミを捕まえて追い出して、直後観鈴にトランプを差し出される場面。ただ一緒にいられるだけでいいと悟ったあとの一日の流れ。そして……。
あまり他の方の感想では言及されていませんが、最後、そらのモノローグとともに映し出される晴子は印象的でした。
酒に逃げてへべれけでもなく、取り戻されることを恐れ余裕を無くした顔でもなく、自信に満ちた『母』の顔。
ついて、離れたりを繰り返して、ようやく辿り付いた『家族』の場所。
これが、AIRなのか……否、これがAIRだ!!そう思いました。

私、サイトでもの書きやってるんですけども、いつも『小説は絵に勝てず、絵はゲームに勝てず』って思ってるんです。
要するにイメージの話で、文章より絵のほうがダイレクトにイメージが沸きやすく、それに音や画面効果をつけられるゲームはさらに有利だってことです。
ただ、アニメに関してはそう思ってませんでした。動く絵はどうしても安定しないし「放送期間」「1話30分」と言う時間制限がストーリーを粉々にしてしまうから。
改めます。あの海のシーンは、間違いなく原作すら凌駕しました。
原作と脚本と絵と声と。全てが調和した瞬間、人間はこんなにも「美」を作り出せるものかと。

京都アニメーション様に、最敬礼を。
そしてスタッフ様を含む全てのAIRファンに幸せを。
そして3月25日0時40分。怒涛の最終話の放送へと突入したのです。
posted by あるごる。 at 22:57| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック