が、幸か不幸か今日はかなり早くあがれてしまったので、優雅に時間を使おうと、映画なんぞ見に行ったのですよ。
で、一般人との話の種とも考え「蒼き狼 地果て海尽きるまで」何ぞチョイスしたのですが――いや、エイベックスとかYahooなんて絡んでる時点で危険だとは思っていたんですが――予想を超えるつまらなさでした!(苦笑)
ゲド戦記こそ見てませんが、映画は事前リサーチが大事ですね。
あまりに芝居臭い台詞の発声(台詞そのものではなく音声の問題ね)だとか、BGMがフェードアウトしないでぶち切りに鳴るところとかいろいろダメな点はあるのですが、何よりもダメなのが『展開の作り方』コレに尽きます。
中身が「事件→テムジン激高→母親が諭す→やめて他の方法→年代ジャンプ」の繰り返しで、まるで蒼き狼がマザコン野郎なのかと疑わせるような展開。水戸黄門やってるんじゃないんだから……。
しかも(特に前半なのですが)エピソード毎のつながりに脈略がなく、理解が追いつかないです。例えば冒頭で親父を毒殺したタタールへの恨みは分かるとしても、何で「聞くだけで身震いする」「積年の屈辱」というぐらいの恨みを金(=中国)にもつのか全く劇中では語られない。なのに最後は北方で死んだ息子ジュチへの思いを込めて万里の長城に突撃するんですから……正直知識がないと展開についていけないでしょう。
コレに輪をかけてダメージを与えるのが山場での内容の薄さ。モンゴル建国は戦いの歴史なのに戦闘が非常に淡白。「キタ━━(゜∀゜)━━!!!!! これからか!」 と思ったところで毎回「この戦いは何日も続き……」とナレーションが入り「おいちょっとここで切るのかよっ!」と突っ込むことの繰り返し。総監督が、ケとハレの感覚、山場というものが全く分かっていないということがひしひしと感じられます。
コレに加えてカメラワークのことまで言及するといくら行あっても足りないのでやめます。金獅子賞取った北野監督って偉大なんだなと改めて思わされました。
ワンピースの方が、よっぽど興奮できたんじゃないかな……。
え、「それでもボクはやってない」でも見たらって? ダメナンデスヨ社会風刺作品は。アレやコレやと知ってる知識が相乗効果になって、やり場のない怒りにとらわれてしまうので。