いろいろ言われてますが、私はすげー面白かった!です。
月(藤原竜也)、L(松山ケンイチ)とワタリ(藤村俊二)はぴったりだった。あと粧裕(満島ひかり)は映画とは別に非常に好みでした(笑)
なるほど、ポテトチップスコンソメ味ってそういうことだったのか……。
なんでしょう。一番近いのは「風の谷のナウシカ」でしょうかね。あれも原作の漫画は7巻まで続いていて、トルメキア以外の勢力が出て、テーマ違いで……となってますし。このDEATH NOTEが後半でどう落着するか分からないですけれど、映画肯定派と否定派の出る温床はこれに近いのではないかと。
下にネタバレ感想をおいておきます。
しかしデスノートが「使うのは簡単だけれど、(警察に追われる中)使い続けるには、人並み外れた能力と努力が必要」というところに少年漫画さを感じるのは私だけ?
あとリュークのCGよりその笑い方に違和感を感じるのは私だけ?
いや、原作を読み返さぬまま行ったせいかもしれないですけど、特にストーリーに違和感なく見ることができました。
不起訴処分になったDQNは、原作のコンビニ前被害者同様派手に逝って欲しかったですが^^。
映画否定派からは「同じく原作破壊してるのに、何でお前『劇場版AIR』だけ否定するんだよ」って言われそうですが、それとこれとはぜんぜん違いますよ。
この映画化にあたっては原作サイドが「デスノートの使用ルールだけは忠実に」と強く主張したそうです。AIRで言うところの法術と翼人伝説ですね。ここを譲らなかった(そしてある程度原作通りのイベントを盛り込んだ)ところが、よかったんじゃないかと思います。劇場版にするときの指針ですねこれは。
突っ込みたいところはいくらかあります(バスジャックの後、警察到着前にさっさとタクシーで出て行くとか認められるわけねーだろ)。
それ引いても面白かった。復讐鬼に変貌した(最後は「させられた」)ナオミとか、恋人役の詩織とか、オリジナル要素は成功してると思います。2時間で十分な山を作った。あれもデスノートで事前に仕組んだのか……っていうのは原作分かっていても驚いた(やられた自分が悔しいけど)。
あとは映画版でよかったのは月の動機ですね。「世の中に退屈だった」より「のうのうと生きている悪党が許せなかった」の方が、世相に鑑みてもより共感得られそうですし(法律勉強してたから特にそう思う)。『悪に対する悪は許されるのか』ってのもDEATH NOTEの重要なテーマだと個人的には思っているので。
今印象に残っている台詞は「FBIは犯罪者じゃないだろ」と「……どうかな」です。
原作だとあっさりと「新世紀の神」になりきっちゃってますけど、この映画版だとこの二つの台詞が、ターニングポイントになってるんじゃないかなぁと。純粋な正義感で悪を裁いていたはずが、いつしか変容していく、っていうのは原作じゃ割と薄くしか語られてない気がしたので。
オリジナルストーリーになっている分、Lとキラのどっちが勝つかも謎のまま。後編もぜひ楽しみにしていたいと思います。
ただひとつだけ、どうしても見過ごせない突っ込み点があります。
それは藤原月!お前ノートに余白あけすぎ!贅沢に使いすぎだ!!
本家夜神月なんてページが黒く染まるほどびっちり書いていたのにスカスカじゃないか……まさかLとの対決時にページがなくなる、なんてとんでもなく情けないオチの伏線じゃないだろうな……^^;
面白かったようで何よりですわ。
あとは、スタッフロールが終わった後にリュークがする次回予告もかなりよかった。アレは映画館じゃないと。