小説版同級生、角が丸まった衛のポップ、ページが日焼けしたえちい本…。
そう、終わりは、別れとあるものだから。すべて置いて行く…
こんばんはあるごるです。時間が先後しますが、新生活を前提とした引越しにあたり、かなりの品と涙の別れをしてきました。
ドラマCDをはじめとするシスプリは信頼できる後見人に託し、同人誌の殆どはビニール袋に消しました。
しかし、中にはともにいた年月の長さゆえに、譲渡にも廃棄にも踏み出せないものたちがありました。「ロケットプリンセス(安西信行)」や、日焼けした「ポケットストーリーズ」……。
どれも、これも、捨てがたい思い出たち。ゴミ袋に突っ込むだけなら簡単です。
でも、それでは、彼らに敬意を表したとはいえない。
彼らを愛するがゆえに、自分が、自分の手で、決着をつけなければならない。そう思うに至ったのです。
――そして、2月某日、風の弱い日を見計らって、私は仕事帰りに旧宅に赴きました。寄り道するには、楽な時間ではありません。
彼らを紙袋につめ、向かった先は、近くの河原。
万感の思いを込めて、私はマッチをすりました。
荼毘。それが、私の出した結論でした。
長年お世話になった田中ユタカのページを火にくべつつ、スーツを焦がしそうになりながら、巻き起こる炎を前に、ただ、般若心経を唱え続けます。
3遍唱えても終わりませんでしたので、唱えるものはいつしか経から「Farewell song」に代わりましたが、意味は一緒だからよいでしょう、
延々三十分。橋の下でスーツ姿の男が紙袋一杯の不審な本を燃やすというまごう事なき不審火をもってこの夜は更けていきました。
サイトの開設記念にあわせるには、ちょっと物悲しい傾(かぶ)きでしたね。
でも、またいつか、出会えると信じて。